空っぽの知識
 かたよりまくった読書くんの日記
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友情の果てに何があるのだろうか。
 最近頭の中で「行くぞ英雄王――」が士郎の熱い声で流れています。プレステ版のあのシーンはもうちょっと気合入れてほしかったなぁと戯言を言ってみたり。



 えーと、まあなんです。ちょっと雨さん。あなたの更新は、僕にとっとと感想を書けというプレッシャーを掛けていますね。え、そうですよね?
 ふふふ、そこまで言うならやってやろうじゃないか。そんなに言うんだったら、適当だろうが感想書いてやろうじゃないか! お前との、『友情』のためにも!



○『友情・初恋』 著/武者小路実篤

友情;初恋 (集英社文庫)友情;初恋 (集英社文庫)
(1992/01)
武者小路 実篤

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 図書館にて借りました。
 文学少女シリーズの三巻で題材にされたもので、内容が面白そうだなぁと思って読んで見ました。ええ、面白かったですよ。とても。

 で、感想なんですが。

 大宮のあの行為に勝る嫌がらせを僕は思いつきません。
 いや、ちょっと待とうぜ大宮、とずっと突っ込んでました。いやいや、あんなことされたら、失恋でがっくり来ている野島のハートは粉々にされますって。傷口に塩を塗りこむくらいの残酷な行為ですよ。はたから見れば。

 まあ、実際は作中で大宮も言っていますが、あれが大宮と野島の友情を思っての責任の取り方だってのは分かるんですけどね。分かるんですけど、なんか釈然としない思いが残るわけです。
 そもそも僕は、あの二人の『友情』は、文学で通じたった部分から派生して、二人の間の様々な関係にまで及んだ、かなり深い絆だと思っていたんです。始まりは文学で話があったことがきっかけかもしれないけれど、少しづつ育んでいったのは、『一番気の合う友達』という意味での絆。そういう意味での『友情』だと思っていました。
 だから僕は最後の大宮の行為に納得がいかないものを感じたのです。野島との友情に対してけじめをつけるために、ああいった手段を選ぶということは、『野島と自分の絆』に対してではなく『野島の信念と自分の信念』に対しての責任の取り方です。
 何がいいたいかと言うと、結局大宮と野島の『友情』というのは、すべてにおいて『文学』あるいは『作家』として、という問題が基盤となっているんですよね。二人がすることすべての根底にはそれがある。たとえそれと関係のないことを二人が行ったとしても、二人の間には間違いなくその概念があるわけです。それが二人の関係のすべてと言ってもいい。だから大宮は、決着のつけ方としてああいった行為に及んだんだ。そう僕はあの行為に対して解釈しました。

 僕はこの友情が、かなり歪んだものに見えてしまうんですよね。確かに、両者にとってこの『友情』はとても純粋なものでしょう。しかし、一歩引いて他者の目線で見れば、これほど歪なものはない。だって、彼らが通じ合うには『文学』というものがなければならないのですから。そんな何らかの問題を仲介しなければ成り立たない『友情』は、人によっては違うかもしれませんが、僕にとっては苦しいものだと感じるのです。
 『友情』の定義は、人それぞれ違うと思います。確かにこういった、ある一点において通じ合うことのできるというものは、とてもすばらしいものでしょう。でも、僕個人としては、そんな友情ならばいらないと感じてしまう。そこがこの物語との合わない部分なのだなぁと考えました。


 長々と語りましたが、どうも上手く言い表せた自信がない。僕の中ではちゃんと「ここはこう」、っていう区別は付いているんですけどね。言葉にあらわすとなるとなかなか。
 ただ、なんか大宮と野島の友情を全否定するようなこと言っているような気がするかもしれませんが、そんなことはありません。実際あの二人の友情はかなりすばらしいものだと思います。純粋すぎるからこそ、個人的に気持ち悪く感じただけで。
 特に最後の『文壇で勝負だ』のくだりは何か切ないながらも燃えるような野島の感情が感じられました。その感情はどうとも取れると思うのがまた深いなぁと思いますし。

 ……と、ここまで書いて一つ重大なことに気づいた。

 杉子のことに一回も触れてねぇ!

 えーと、うーん。あー、どうするよ。ここまで言ってきて今度は杉子のことについて語れと? だったらたぶん、かなり気持ちの悪い文章になるぞ。いやまじで。
 とりあえず、杉子についていえることは雨さんと同じく「自重しろ」。ただし、一概に杉子も悪いとは言えません。だって恋は盲目なんですから。恋した人間は実際、周り見えなくなるものです。経験あります。かなり痛々しいものですけど。
 それに、杉子が盲目ならば、野島は狂信です。正直な話、あそこまで一人の女性に陶酔できるというのは幸せなことかもしれませんが、はたから見たら異様です。一途すぎるんですよね。行き過ぎないくらいが一番幸せなんですよ。



 さて、次にオマケとして『初恋』について。

 実を言うとこの『初恋』、もう随分前に読んだのでほとんど内容覚えてなかったりします。すみません。そんな中で感想書きます。

 といっても、感想としていえることは一つだけ。『ラストを刮目せよ!』

 初恋が終わった、という感情を体験するのに、これほどいいのはないと思います。

 とにかく、ラストが綺麗なんです。途中、そんなに長くない作品なのに中だるみしてしまった面倒だな、と思いましたが、それもラストで全部吹っ飛びました。最後に話をして分かれるシーンの切ないながらも清々しい気持ちは、これぞ初恋、というのにふさわしい結末。一読の価値は大です。




 では、こんなところで。
 はぁ。疲れた。


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マテリアルゴースト 5巻 感想
 えーと、今朝マテリアルゴーストを読み終わったので、感想をば。

 あ、今回に関しては、できる限りネタバレ配慮はしようと頑張ってところどころぼかした表現にしたのですが、正直無理です。なので、ここからはネタバレ上等、もしくは読了しました、という人がお願いします。


○『マテリアルゴースト5』 著/葵せきな
マテリアルゴースト 5 (5) (富士見ファンタジア文庫 166-5)マテリアルゴースト 5 (5) (富士見ファンタジア文庫 166-5)
(2007/05)
葵 せきな

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 図書館にて借りました。
 マテリアルゴーストシリーズ最終巻。

 四巻のラストから、一体どうやって展開するのかと思っていたのですが、まあ半分予想通り、半分予想外。まさかこんな形で主人公を登場させるとは。
 最終巻だけあって、内容がかなり濃かったです。四巻のときも濃かったけど、今回は話が二転三転したからなぁ。正直、ラストをどうもって行くのかかなり心配でした。

 まず、第一章での真儀瑠先輩の一人称にジンとしました。ってか、反則ですってこの一人称。大切な存在が抜けた穴を埋めるためにペットを飼うなんて良くあることかもしれないけどこのタイミングでこの人がやるのは反則だって! しかもその黒猫の名前をホタルだなんて付けた暁には……もうかわいそう過ぎてかわいそう過ぎて。
 その点、はじめにあんな直球が来たものだから二章での鈴音視点ではそこまでなかったなぁ。まあ、こっちもこっちで辛いのは分かるんですけどね。一番ダメージを受けたのは彼女っぽいし。

 途中に入るインタールードの主人公、雨森沙里は、新キャラだけどすごく輝いてたと思う。一章からずっと蛍のことでみんなが引きずっている空気の間だから、なんか救われるような気がする。ずっと陰湿な空気でばかりいたらやっぱり沈んじゃうもん。
 雨森沙里と、神無深螺、そして深螺のパートナーの水月鏡花。この三人の掛け合いにはなんか妙な安心感があってほっとできる。キャラを立てるのに必要なのは時間じゃないんだなというのがよく分かる気がしました。特に、三人で敵と戦っているシーンでは、今までずっと戦ってきていたような雰囲気が伝わってきましたし。二人のことを『サリー』『深螺』と呼ぶ鏡花の態度も自然でしたから余計に。
 ……あー。水月鏡花の正体には素でびっくりしましたけどね!
 いや、まあ、そりゃ確かにどうにか上手くやるんだろうなとは思ってましたが、まさかこんな形でやってくれるとは思いませんでしたよ。考えてみたら今までの巻すべてが伏線になるしね。叙述トリックとまでは行かないけれど、素直に驚くことは出来ました。
 で、それがばれ、ホタルのことが分かって、蛍が登場するまでで本書の半分。ほんと濃密度です。はじめにばら撒かれた謎を一気に解決していて、なお萎えさせることがなかったんですからすごいですよ。生半可な作家だったらこの段階で萎え萎えですもの。

 そして、そっから最終決戦までの間も素直にいい。蛍帰還に女性キャラみんな号泣のシーンもジンと来ました。それぞれのキャラの対応が、またそのキャラらしい反応で……。普通こういう死んだキャラが生き返るのって展開的には萎えることが多いのに、むしろ感動しちゃったよ。
 その後、蛍が世界を救えるたった一人だということを言われたときも、「世界を救うなんてどんだけー」とかいう感情はまったく起きず、むしろ「おう! やれやれ蛍!」と心の中で大声援を送る始末。もう完全に物語に囚われていました。

 決戦前夜の帰宅部全員とのデートは、また泣かされました。特に、六時間コースの真儀瑠先輩と鈴音に関しては、相手の告白を受け止めなければいけなかったのだから余計に。それでもしっかりと自分の気持ちを伝えた蛍はいい奴だと思う。性格的にはエロゲ主人公みたいなヤツだけど、こういう選択をしっかり出来るのだから格好いい。(まあ、まさか最後まで鈴音の気持ちに気づかないほど鈍感を貫き通すとは思わなかったけど)
 そして、何気にそのデートコースの中に入っている陽慈に乾杯。どうせならケイコさんの姿でデートしてほしかったね!

 そして最終決戦。ユウと分かるシーンは名場面です。今回の巻は全体的に名台詞が多いけど、特にこの場面とエピローグでは、そのすべてのセリフが心に響いてくる。
 蛍さえ一緒にいてくれれば、蛍が他の誰かと付き合おうと別に良かったとまで言うユウの甲斐甲斐しさが胸を揺さぶるし、蛍の本気の思いが地の文や一人称から一々伝わってくるし。ベタなんですけどね。ほんっと、ベッタベタな展開なのに、ずっと引き込まれているんですよ。
 そんな感じでユウと別れを告げ、蛍はタナトスの元へ。そこでの決戦については、あんまり思うところはないです。タナトスの過去とかは、ちょっと残念だったかなぁと思うエピソードのうちの一つです。ここはもう少し、せめて前の巻辺りでもうちょっと補完していてくれたらよかったのにと思います。……まあ、そんなことを言っても話自体はかなり良かったんですけどね。
 実質上のラスボス、《世界の意思》との会話は、誰もが抱く問題です。そして、今までも世界中の様々な作品で言われてきた話。そんな作品群の中の一つの決着でしたが、これはやっぱりこう落ち着くしかない問題です。そりゃあ、日常生活を送っていると嫌なことはいっぱいある。だけど、だからと言って自分の世界に引きこもっていてはいけないんですよね。世界というのは、違う価値観を持っている他者がいるからこそ成り立っているし、楽しいものなのだから。
 まあ、何が言いたいかと言うと、僕としては最後の王道的な展開がかなり嬉しかったんです。最後の最後で、ユウと蛍がお礼を言い合うところ、あのシーンがあるからこそ、すべては丸く収まるのです。別れでもなく、愛の言葉でもなく、互いを認め合い、思いが通じ合ったからこそ出る感謝の言葉。その言葉が、今までの物語すべてを語っているといっても過言ではありません。ビバ、王道! 



 そしてそして、後日談。エピローグ。
 三年のときがたち、マテリアルゴーストとして生きて事件の後始末をしていた蛍。その間になんかいろいろ話が進んでて……って、結局鈴音とくっついたんですかあなた!?
 まさかのエピローグでの大どんでん返し。一体きっかけとなった事件はどんなものなのか気になるところです。まあ、予想外ではありましたけど、しかしそれでも違和感を感じないんですよね。
 主に陽慈との会話で語られる、そんな鈴音との三年間の生活は、面白おかしく、ってか鈴音の嫉妬深さがよく分かる物語。あー、この三年の甘い恋人生活も見てみたい。きっと真面目ながらも面白おかしい日々なんだろうな。
 そんな二人の別れの朝。それは、とてもさっぱりしたものでした。

 「いってらっしゃい、蛍」
 「……いってきます」


 いつもどおりのそのあいさつ。正直、ここだけでもハッピーエンドに等しい感動があります。だけど、これだけでは終わりません。


 タナトス……というよりも、アリスとの話の場面。ここは笑った。いや、まさかアリスがこんなキャラクターだったとは。
 一つだけわからないのが、この話の途中で語られる、十二歳で『新世界の創り方』って論文を発表した人って誰だろう? もしかしてどこかで伏線でてるかな。拾うことが出来なかったんだけど。
 まあ、それは置いておくとしても。このアリスとの会話も、最後の別れがよかった。『またな』の言い合い。うん、この言い返しは、もう深く語ることはない。ただ、また再会できるその日まで、だ。

 最後に会うのは、真儀瑠先輩。
 まあ、言うならば鈴音に負けてしまった真儀瑠先輩ですが、その後もいろいろアプローチしていたらしく、その姿はなんだからしいなぁと。
 そして語られる先輩の夢。『教師』になる、という将来の道。おー、こっから生徒会シリーズに繋がるのですね! とわくわくが隠せない僕。いやあ、これを思うと、生徒会二巻での真儀瑠先生のセリフが印象深いものになりますね。
 そういえば、ここでも伏線が一つ。真儀瑠先輩の弟の話なんですけど、これも生徒会シリーズか、もしくは他のシリーズにつなげるための伏線かな。なんか気になる。
 それはともかく。この場面での一番のセリフはこれ。

 

「今日まで生きてくれて、ありがとう」


 涙腺崩壊。
 五巻の中でたくさんあった名台詞の効果を一気に発動させる、最強の一言。一番強烈なストレートパンチでした。
 本当に、本当にこればっかりは言葉で表せるものじゃない。ここまで読んできたからこそ感じることが出来る感動。積み重ねがあって生きてくる言葉。これこそ、シリーズモノの一番大切なこと。それを味あわせてもらえるのは本当に少ないです。

 で、この感動を抱えたまま、ラストの蛍が消えるまでの場面の、幻影のユウとの会話。これですべてのエピローグが終了し、最後の一文。

 

太陽に掲げた手のひらは、キラキラと、眩く、輝いていた。



 すっと胸がすくようなラスト。清々しい読了感。本当に、いい話を読んだと思える瞬間。


 別に、この小説を読んだことによって、何か価値観が変わったわけではありません。ただ、面白いと思いながら読めて、面白いと思ったまま本を閉じることが出来た、ただそれだけです。
 でも、そんな読書こそが、一番幸せなものだと思います。ただ、自分が面白かったと思えればそれでいい。楽しめたかどうか、それが一番重要なんです。
 その点で言えば、この『マテリアルゴースト』という作品は、久々に文句なしの面白さを持っていたと思います。全体的にバランスがいいから特にそう思えるのです。ギャグに特化した小説や、シリアスに特化した小説もいいですが、こういう風にバランスがいいもので、全体的にレベルが高いものは、それだけで読み応えがあります。


 いつか、僕もこんな話を書いてみたいものです。読む途中は夢中で読め、そして読み終わったら「面白かった!」の一言がでるような、そんな物語。別にその作品によって誰かの価値観を変えなくてもいい。ただ、面白い、エンターテイメントを提供できるような、物語を。


 そんな風に、べた褒めの感想でした。正直ここまで褒め続けようと思うのは、西尾さん以来です。『葵せきな』という作家は、僕の中でかなり高い優先順位に上げられたということを最後に述べて、今日は終わり。
 いやあ、久しぶりに長い感想書いたぁ。


 <ケイ、ありがとう>
 「どういたしまして。こちらこそ、ありがとう」
 byユウ&式見蛍



プロフィール

西織

Author:西織
この欄を編集するのを完全に忘れていた男。今年の四月に新社会人という名の社畜人生に一歩を踏み出した。



性別:男
年齢:22歳
血液型:A型
趣味:読書&執筆
将来の夢:作家(前途多難)

本の感想などを見たい人は、こちらをどうぞ
『空っぽの知識(読書日記)』
http://emptyreader.blog81.fc2.com/

自作小説専門のブログ作りました。
『空っぽの知識(自作小説)』
http://emptynovel.blog83.fc2.com/

同じFC2ブログを三つも作ったことにより、他のブローカーに訪問者履歴的な意味で迷惑が……あの、本当に申し訳ございません。


何か連絡があれば、こちらにお願いします。
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(☆を@に変えてください)



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