空っぽの知識
 かたよりまくった読書くんの日記
小説・仮面ライダーオーズ 感想




 小説・仮面ライダーオーズを読んだので、大学行く前に朝っぱらから感想。




 今回のライダーノベライズで正直一番楽しみにしていたものです。あと555とダブルが楽しみなんだけど、主人公の活躍をもっと見たいという意味ではオーズが一番強いので。

 まあ、そういう意味では、あんまり満たされはしなかったかな。ぶっちゃけ映司の登場シーン、全体の四分の一ないし。けど、その分アンクとかバースチームとか、これからの映司の行く道とか、いろいろなものを見せてもらえたと思います。





 以下、ネタバレあり感想。







・アンクの章
 800年前の王とグリードたちの話。
 序盤から始まる、10枚のコアメダルを持っていて満たされていた時のアンクの夢が、これがなかなかいい。こういう『夢』を見た後だからこそ、アンクがどれだけ必死に、自分を満たすものを渇望していたのかがわかって来る感じ。
 登場した800年前のオーズがまたいいキャラしている。映画で鴻上さんの先祖だって話はあったけれど、まさしくそれをほうふつさせるようなキャラクター。それでいて力を持ち、権力を持ち、欲望のままにすべてを求めるのだから手におえない。確かにオーズの力があったら、侵略も簡単だろうな。ってかぶっちゃけガタキリバだけで十分やばい。
 アンクがヤミーを作るにあたって選んだ少女との話は、碌な結末にはならないだろうと思っていたけれど、案の定救いもない最後できつかった。小説だからこそできる、目玉をくりぬいて届けてくるというコンドルヤミーが、設定に準じててなかなかリアル。盲目の少女の欲望が『目玉の持ち主が見たもっとも美しい景色』を見るっていうのがまた残酷で、それが巡り巡って少女のトラウマをえぐるってところがなぁ。精神崩壊する前の少女の、「トリさんが赤いからかな。青くないとだめなんだね……」っていうセリフが的確すぎてやばい。こういう言い回しが来ると思っていなかったから、素直にゾッとしたわ。
 この少女の死が、アンクにとっての転換期だったってのがまた面白いなぁと思う。映司が戦地で少女を救えなかったことが転換期であったように、アンクも自分がかかわった少女によって、自分というものの欲望に向かい合えたところの対比がうまかった。
 ラストで、映司にせかされながらヤミー退治に向かうアンクの様子は、ラストのような幸せではないにしても、平和な日常だったんだろうなぁと思うと、もう一回本編を見返したくなる。

 それにしても、この章で輝いていたのはもちろんウヴァさんでしょう。
 「コアメダル何枚持ってる?」→「もちろん9枚に決まってんだろ(ドヤァ」
 「俺に開けさせろ」→「いや、やっぱり罠かもしれないからお前が開けろ」
 「どうだ? 地面に這いつくばる気持ちは(ドヤァ」
 「うわぁっ!」→「メダルを借りるぞ」→「やめ、やめろっ!」 ← 真っ先に奪われるウヴァさん

 毛利さん、絶対にウヴァさんの世間での扱い知ってて書いてるよな……。短い中で脇役のくせにこんだけキャラが立つウヴァさんは異常。



・バースの章
 前情報で聞いていたとはいえ、まさかのバースドライバー視点の一人称。
 これがまたいいキャラしすぎててやばい。撥ねっ返りだけど根は純粋。一度ついていくと決めたらとことん尽くそうとする若者がここにいた。
 ベルトだけど。
 真木博士がやってきたときの四秒間の妄想が大スペクタルすぎて、もう最終回それでいいんじゃないかなとか思ってしまった。何がやばいって、これ普通に面白いところがやばい。野暮ったい話を十分なんかの作品のシナリオに使えるレベルにまで持って行ってるところが面白すぎる。

 バースドライバーのキャラもさることながら、後藤ちゃんのキャラもいいキャラすぎる。ベルトに話しかけるな後藤ちゃんww。腹筋のカウントをサバ読みするな後藤ちゃんww。スクワットまだ終わってないぞ後藤ちゃんww。世界を救う力言いすぎだ後藤ちゃんww
 ただ、ベルトを取り返すためにためらいなくバースバスターでドライバーを撃ったりするあたりの判断力はさすがだなぁと思う。まあ本編では、序盤は誤射しまくってたけど。誤砲さんだったけど。
 バースドライバーとの絆を深めるとかいう謎の脳筋判断によって山籠もりするときの里中さんと鴻上会長のノリが楽しすぎた。結局減給されるわけだが、彼の生活はいったいどうなってんだろうな本当に……。

 それにしても、ベルトの価値について語ってるところのたとえが面白すぎた。

 変身させられない変身ベルトなんて、ただのベルトだ。いや、それ以下だ。まだ普通のベルトの方が役に立つ。なんてったってズボンが下がらないように抑えることができますからね! 俺にはそんなこともできない。変身させられないのにつけたって、ただ、重いだけだ!

 そのあとの道具たちの決戦も面白かったが、割愛されているのでここでも割愛しよう。

 しかし、オチで伊達さんの小説っつー落としどころが設けてあったわけだが、伊達さん暇すぎだろ……。



・映司の章
 さあいよいよ主人公の後日談が見れるよ、とか思っていたら、いきなり始まる見知らぬ少女視点の物語。
 正直面喰いはしたものの、まあこういう風に来るんじゃないかなぁとは、ちょっとだけ思っていた。ヒーローの後日談を描くにあたって、ゲストキャラクターの視点でその後のヒーローを見るっていうのはよくある話だし、それに映司が目指そうとしていたものを考えると、個人で立ち向かうには大きな問題であるというのを描くにあたって、こういう描き方はすごく『あり』だと思います。

 内容としては、内戦が続く砂漠のある国の、とある部族が舞台。
 まあはっきりと描けないのは社会問題であるからリアリティを出しすぎないためかな。単純に小説としての筆力が足りないのかもしれないけれど、これくらいの描写で十分だと自分は思う。これくらいであっても、アルフリードの夫が殺された瞬間の絶望感は半端ないものだったし。
 ここでうまいなぁと思ったのが、アルフリードが映司のことを敵視していることだと思う。もちろんラストではある程度認めてはいるんだけれど、終始決して友好的ではないところが、別視点にしたことの意味がある。そもそも戦争は価値観の違いや意見の食い違いで起こるものだし、その絶対的な溝として、やっぱりこの、日本人の青年と砂漠の国に住む住民とで描く必要はあったと思うし。
 もちろん読者としては一年間オーズの物語を見た後にこれを読むだろうから、「映司はそんな人じゃないよ!」って言えるわけだけど、そうやって人となりをわかってあげるために、4クール分の物語が必要だったわけで。映司が目指しているのはもっと途方もない、誰もが手をつないでどこまでも届く手を作る、ってことだから、この価値観の差は、もうちょっと掘り下げてもよかったんじゃないかとすら思ってしまう。

 まあそれはそれとして。オーズの物語が終わり、怪人の脅威がなくなった世界で、映司がいったい何に対してオーズの力を使うかというと、それは、兵器に対して。
 ここも800年前の王との対比になっていてきれいだなぁと思う。侵略し、己を満たすためにオーズの力を使う王と、人のために、人を傷つけないためにオーズの力を使う映司。戦争をするために必要な道具を片っ端から壊していくというその戦い方は、強大な力に振り回されずに制御する、一年間の戦いを超えた映司の姿がある。
 もちろん、これはファンタジーで、夢物語でしかない。現実の戦争はこんなものでどうにかなるわけがないし、そもそもオーズの力なんてものはない。けれど、これは戦いのやり方の一つでしかない。映司はオーズという力があったからそれを利用したけれど、それがなくったって、彼はどうにか部族のために、そして世界のために、何かをしただろう。それは少女を救えなかったあの時の願いと同じ、しかし、気持ちだけは、大きく成長している。自分一人が何かをしようと思うんじゃなくて、自分と、そして自分と手をつないだ人と一緒に目指す。大切なのは分かり合うことなのだと。一年間の戦いで映司が学んだそのことを、物語として見せてくれたんだと思う。

 そうした映司の欲望のためにオーズの力が使われるっていうことは、欲におぼれている者たちに対するちょうどいい抑止力になればいいなと思ったり。

 それにしても、プトティラ以外の全コンボちゃんと使ってくれるとは思わなかった。特にシャウタの使い方がなかなか面白い。最後にタジャドルを持ってくるところもわかってるなぁという感じ。



 欲を言えば、怪人とオーズの戦いを見たかったってのもあるんだけど、TVシリーズ、そしてMEGAMAX後の映司の後日談としては、これ以上はないだろうなっていう話を見せてもらいました。毛利さんに感謝!
 キャラクターも、ほんと違和感なく描かれているので、ノベライズとしては成功の部類だと思う。しかし、市場への出回りが少なすぎやしないだろうか……。いくらなんでも手に入れるのに時間かかりすぎたぞ。オーズファンにはぜひ見てもらいたいんだが。

 あと、カブトは手に入れているので読みたいんだけど、前評判最悪だからな……。ダブルはもう少しで届きそうで、そっちの方が評判いいから早く読みたいなぁ。




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Author:西織
この欄を編集するのを完全に忘れていた男。今年の四月に新社会人という名の社畜人生に一歩を踏み出した。



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趣味:読書&執筆
将来の夢:作家(前途多難)

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