空っぽの知識
 かたよりまくった読書くんの日記
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スパイラル~推理の絆~ 紹介的な



 来週から研修が始まるので、ただでさえ更新していないブログがさらに更新できなくなる件。

 うん、まあいつも通りってことSA★







 漫画紹介というかなんというか。


スパイラル―推理の絆 (15) (ガンガンコミックス)スパイラル―推理の絆 (15) (ガンガンコミックス)
(2006/01/21)
城平 京、水野 英多 他

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 わたくしの中学時代の青春の一つである『スパイラル~推理の絆~』

 先日実家に帰った時に、全巻持ってきたので一気読みしたのさ。



 とりあえず読んだことのない方に向けてのセールスポイントとしては、殺人衝動を持つブレードチルドレンという存在の謎を追うサスペンスアクションついでにミステリ、な作品です。

 主人公の鳴海歩は、兄である清隆に何一つ敵う物がなく、すべてを奪われて育ちます。そんな彼が、ブレードチルドレンの謎にかかわるうちに、成長して大切なものを取り戻すお話し。次々と襲ってくるブレードチルドレンと、それを取り巻く人間模様。情報通の美少女新聞部部長とともに、事件に挑め!

 とにかくラスト2巻の怒涛の展開が素晴らしいので、もうぜひ読んでもらいたいところ。










 んで、こっから先がネタバレありの感想。







 中学時代に読んだときは、カノン編最高で火澄編が微妙かなーとか思ってたけど、今読むと火澄編の面白さが異常すぎて困る。歩と火澄のどこかちぐはぐな学園生活は面白かった記憶はあるんだけど、その中に隠されている火澄の絶望が次第に明かされていくところがゾッとするほど面白かった。
 こういう細かいところで、ちゃんと最後まで『ミステリ』としての形式を崩していなかったんだなーと今更思い知ることになったのだけれど、こういうところ、城平さんはほんとうまいと思う。ミステリっていうのは、突き詰めていけば人間の隠された思念を暴くところにあるので、そういうところを城平さんは丁寧に描いてくるよなぁ。

 カノン編まではすっごいヘタレというか後ろ向きだった歩が、真相を知った後の火澄編からはずっと本気モードでいたところがまた面白かった理由だと思う。火澄が絶望する理由である、クローン人間であるという事実を推理によって知っていた歩は、それでもちゃんとその事実を真正面から受け止めていた。その強さは、それまでの積み重ねがあったのだろうし、何より兄から何もかもを奪われてきたからこそ、今更その程度では揺らがない。そんな痛々しい強さが、歩の魅力だと思う。
 何よりこのあたりの真相のむごさがやばい。清隆の代替物ですらなく、ただの予備、実験体としてだけで生み出されたって事実は、本編中のキリエさんのように吐き気を催すくらいに残酷すぎる。でも、歩はそれを知っていても、ただあきらめたような顔ですべてを受け入れていた。それくらい、彼はもう絶望を知り尽くしていたのだと思うと、ほんとこのあたりのエピソードは切ない。

 あと、火澄の方の絶望も、ほんと強烈なんだよなぁ。失敗も挫折も経験することなく育ち、あまつさえ「悪魔と呼ばれた兄の呪いを解いてヒーローになる」なんて夢まで見て、それを思いっきり叩き潰されたのだから、そりゃああれだけ追い詰められるわと思う。ただ、それでも火澄はカノンを殺すべきじゃなかった。あれさえなかったら、歩もあそこまで解決を急ごうとしなかっただろうに(最も、解決を急がせたのは火澄だけど)

 そして、唯一の同士である火澄を切り捨てて、それでも前に進もうとする意志の強さ。そして、それを叩き折るために用意された、鳴海清隆の最後の策。ひよの爆弾。
 もうね、ここはリアルタイムで読んでいた時も「ぎゃあああああ!」って気分でしたよ。再読してみると、それらしい演出はもういくらでも見られたんですが、当時そこまで考えて読んでなかったもんですから、本気でビビった。そして、そんなことされたらそりゃあ衝動的にぶち殺すわと思ってしまう。
 それでも清隆を殺さなかった歩は、本当にどこか悟りを開いてしまったようで、痛々しすぎてみていられなかった。けれど、確かに城平さんのあとがきにあるように、あそこでひよのの加護から飛び出たうえで決断したっていうことが、鳴海歩にとっての最後の殻だったんだろうと思う。最後に歩とひよのが握手をして別れるあの瞬間の美しさは、この作品が15巻かけて描いてきたすべてが集約されているんだろう。
 そのあとのひよのの涙と、無人駅での歩のセリフは、何度見ても涙腺刺激されてやばい。


 そんなわけで、もう5,6年ぶりになってスパイラルを一気読みしましたが、ほんと傑作だわこれ、と再確認する運びとなりました。

 あと、アライブと絶園のテンペストは絶対集めてやる。


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Author:西織
この欄を編集するのを完全に忘れていた男。今年の四月に新社会人という名の社畜人生に一歩を踏み出した。



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将来の夢:作家(前途多難)

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