空っぽの知識
 かたよりまくった読書くんの日記
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かつて決闘者だった者達へ 『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』感想



 我々はかつて、誰もがデュエリストだった。



 小学校の頃。放課後になると誰かの家へカードデッキを持ち込んでデュエルをした。新しく手に入ったカードに一喜一憂し、その瞬間の勝利に歓喜し、不意の敗北に怒って喧嘩をした。
 もちろん原作漫画はバイブルだった。次々に出てくるデュエリストたちの決闘に手に汗握り、その決着を楽しんだ。そしてそんな決闘を自分たちもしたいと、また友達とデッキを持ち寄った。

 遊戯王とは、我々にとって小学生時代の全てであり、青春の一ページであった。




 その遊戯王が、今。
 十年以上の時を経て、大人となった我々の前に帰ってきた。



 そこには、かつてのデュエリストたちが、そのままの姿で居た。
 カードを剣に。デュエルディスクを盾に。
 持ちよるのは、己の分身とも言えるカードデッキ。賭けるのは、デュエリストとしての誇り(プライド)。

 遊戯が、海馬が、そして、ファラオが。再び、戦いの舞台に上がる。


 我々が熱狂し、そして、いつしか自然と思い出にして締まっていた彼らの戦いをまた、見せてくれたのだった

 そのことに、ただ、感謝しか無い。












 とまあ、ちと感傷的になりながら導入を書いたわけですが。

 『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』見てきました。

 まあそりゃあね。私もかつてはデュエリストだったわけでね。原作の後日談と言われれば、そりゃあ見に行きますよ。
 しかし、見に行く前は、「今更遊戯王?」という気持ちがなかったわけではありません。というか、遊戯王なんてほんとかなり昔に完結した漫画を、今更映画化するというのはどういうつもりなのか、と思ったくらいです。
 でも、前評判は絶賛の嵐。
 その評判を見るうちに、むくむくと、かつてのもう一人の僕が心のなかに湧き上がってくるわけです。あのキャラたちの姿を見たい。また彼らのデュエルを見たい。また、彼らの生き様を見届けたいと。

 不安はありました。
 遊戯王という作品には、遊戯と、そしてもう一人の僕こと、古代エジプトのファラオであるアテムの存在が不可欠です。遊戯とアテム、二人が居てはじめて、遊戯王たりえる。そんな遊戯王という作品は、最後にアテムが冥界に帰るという形で決着がつきます。

 戦いの儀において、遊戯がファラオを下し、ファラオは現世を去る。
 そうして、死者は去り、生者は今を生きていく。
 そんな綺麗に終わった作品を、今、蒸し返してもいいものだろうか?

 その不安は、杞憂でした。

 スクリーンに映るのは、かつてのキャラクターたち。
 ファラオが去り、残された者達は、そのことを記憶にとどめながらも、全力で現代を生きている。ファラオの記憶と折り合いをつけて生きるもの、ファラオと再び会おうと全力を尽くす者。色々な思惑が混ざり合いながら、物語は進んでいく。


 そこには、まさしく遊戯王の後日談としての姿が、違和感なくあった。




 もうね、遊戯もそのまんまだし、城之内や本田、杏子、獏良と言った仲間たちとの関係も全く違和感がなかった。海馬社長に至っては、これこそ裏遊戯と幾度と無く死闘を繰り広げたあの社長であると確信できるほどに、豪快で、かっこ良く、常に全力な男だった。

 というかもう、これは半分以上、海馬社長の物語だろうと。
 冥界に去ったアテムを追い求め続ける海馬の挑戦の物語。それは、遊戯王において、多くのキャラが過去と折り合いをつけ、未来に向かって歩いていく中、海馬だけは、アテムという史上唯一のライバルを失い、過去に囚われ続けているということの証左でもあったのだろうと。


 とにかく、海馬の愛が重い。
 闇遊戯を再現するためにコンピュータに人格模倣をさせるわ、崩落した遺跡から千年パズルを発掘し直すわ、アテム復活のために遊戯にパズルを完成させようとするわ。
 そんな海馬に、遊戯が「このパズルにはもう誰もいない」って言うところの切ない表情よ……。あれもう、完全に恋人に先立たれた男の顔してたよ……。最後までそれを認めようとしなかった海馬だったけれど、映画の最後には、アテムではなく遊戯を「誇り高き決闘者」というふうに認めたわけだけど、そこでやっと、彼は遊戯と向かい合えたんだろうなと。
 そして、ラストも海馬社長はフルスロットルである。意識加速によって集合無意識にアクセスし、辿り着いた先は古代エジプト。そこでファラオと向かい合う所でエンド。あれ、この作品って海馬が主人公だっけ?

 見終わった後に思ったのは、とにかく男と男のライバル関係っていうのは、それだけで胸が熱くなるなと。

 あと、海馬が藍神と最初に戦った時、ピンチの所でオベリスクを召喚した所がくっそかっこよくって死ぬかと思った。新型デュエルディスクのお披露目の時の口上もすごかった。今ではネタにされがちな海馬社長だけれど、こうして物語として彼の姿を見ると、やっぱりこの男くそかっけぇなと。これがマインドクラッシュを食らう前は、典型的な傲慢クソ御曹司だったことを考えると、すさまじい成長である。
 とにかく、海馬瀬人というキャラクターを好きだったら、絶対見るべき映画だというのは確かだと思う。




 それと、本編で回収しきれていなかったエピソードなんかもやって、ある意味完結編になっているのもよかった。


 獏良と千年リングの関係なんかは、これ本編でやれよと言いたくなるような内容で、ここに来てようやく、獏良がどうして千年リングにとらわれていたのかがよくわかってしまった。というか、戦犯は獏良の親父やないかい……。

 何より嬉しかったのは、シャーディーの存在である。遊戯王はなんだかんだでキャラクターの扱いなんかは完璧だと思っていたんだけれど、シャーディーだけは絶対に語りそこねたものがあるだろと思っていた。とくに最初期に、はじめて千年アイテムについて意識づけをしたキャラだけに、もっと彼については掘り下げて欲しいと常々思っていたのが、まさか十年の時を超えて見せられるとは思いもしなかった。それだけでも、この映画を見てよかったと思える要素である。




 あとはまあ、細かい所でここが良かったとかあれが良かったというのは言いたいのが山ほどあるんだけれど、結局のところ、もう全て良かったと言ってしまうくらいには満足感のある映画だった。要所に愛しか感じない、見せたいものを詰め込みまくった遊戯王だったと思う。

 遊戯王という作品は、カードゲームというテーマだからあまり注目されないけれど、その物語構造はかなりしっかりとした一本筋が通っていて、各キャラクターの成長を丁寧に描いている作品でもある。まあ自分もそれに気づいたのは完結してアテムが去った後なんだけれど、全てのデュエルにはそれぞれのデュエリストの信念や気持ちがこもっていて、その結果で成長をしていく。

 今回にしても、いくつか行われたデュエルには、そのデュエリストたちの心情が投影され、その決着こそが物語の決着でもあった。



 誰もが期待し、そして、誰もが不安を覚えた、ファラオ・アテムの復活。

 闇遊戯の存在無くして、遊戯王は語れない。しかし、闇遊戯に簡単に戻ってこられても、それはそれで困る。
 そんな複雑なファン心理を、しっかりと満足させる、かのファラオの演出。

 その佇まいと、決着をつける最強のデュエリストの姿は、かつて同じデュエリストだった僕達の目に、しっかりと焼き付いたことだろう――










 最後に余計なこと。

 映画見ている最中、ずっと思ってたんだけど、杏子ちゃんエッチ過ぎませんかね。
 ああいうのでいいんだよ。ああいうので(満足気にサムズアップ)



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コメント

くっそ、遊戯王見たかったなちくせうっ。
ご覧になられるかわかりませんが、お久しぶりですー。旦那の長期海外赴任について高飛びしてましたが、戻ってまいりました。
ツイッターの方はいまだに旧ガラケーなあんちくしょうがSSL通信で弾かれるのでスマホに変えてからになりますが、とりあえずご挨拶をば。
[2016/06/14 04:03] URL | 狭葉 #SFo5/nok [ 編集 ]


うわぁ! 狭葉さんお久しぶりです!! ブログをなかなか開かないもので、三ヶ月越しになってしまいすいません!
ツイッターでは以前以上に騒いでおりますので、スマホに変えられたらまたぜひ絡んでください。

遊戯王は、9月末から4DXでの再上映が始まるそうなので、よかったらぜひそっちでご覧して欲しいですね。海馬社長が素晴らしい映画でした。
それでは、またよろしくお願いします~
[2016/09/13 18:41] URL | 西織 #fBhJEaUc [ 編集 ]


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Author:西織
この欄を編集するのを完全に忘れていた男。今年の四月に新社会人という名の社畜人生に一歩を踏み出した。



性別:男
年齢:22歳
血液型:A型
趣味:読書&執筆
将来の夢:作家(前途多難)

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