空っぽの知識
 かたよりまくった読書くんの日記
傷物語~こよみヴァンプ~ 感想
 傷物語読み終わりました。


 以下、ネタバレ全開の感想なので、未読の肩はスルーをよろしくお願いします。




















 かわいいよ委員長かわいいよ!





 いきなりこんな文章で始める僕は大概分に変態だと思う。


 しかしですね、こう言うのも無理ないと思いますよ。少なくとも、これを読めば。これを読み終われば!




 萌え殺すつもりかこいつは!





 だいたい、まず一番初めの阿良々木君と出会うシーン。パンチラならぬパンモロ。風でスカートがめくれるというイベントは使い古された王道的展開ですが、それをあそこまで熱狂的に描写するとは……。だいたい下着の描写に2ページ使いますか普通? 最高だよ。西尾さん、あんた変態だよ!(笑)

 しかも、その後の委員長の反応ったら。「えへへ」って、照れ笑いしてんじゃねぇよ! 萌えるじゃないか! お前そんなキャラだったっけか!?
 ってか胸! 胸! 隠れ巨乳羽川! 絶世の美人吸血鬼にも引けを取らぬ胸囲! おっぱいおっぱい!


 ……ごめんなさい。調子に乗りました。



 いや、でもですね、こんなことを言わせるだけのことを彼女はしましたよ。パッとエロ方向だけ思い出しても、パンモロに始まりパン脱ぎパン渡し(パンツばっか)ブラ脱ぎ胸もませ。むしろ阿良々木君がチキン精神出して引いちゃったくらい。なんでそこまで積極的なのさ!?

 らぎ子ちゃんもらぎ子ちゃんだ! 女の子の覚悟をなんだと思ってるんだよお前は! このチキンやろう!
 委員長は初めての体験を体育館倉庫のマットで迎えるかもなどという覚悟までしてきたというのに、それはないよらぎ……。まあ、そんな余裕なかったかもしれないけどさ。


 とにかく、春休み中に阿良々木君がどれだけ委員長に世話になったのかがよく分かりました。ってか、化物語で微妙に仄めかされていた想像を、はるかに越える助けられっぷり。なんでここまで翼がしてくれるのかが不明。絶対気があるって。ってか気づけよらぎ子。










 と、テンションの高いエロ文面はここまでにして。


 今回の話は、化物語の前日譚。戦場ヶ原ひたぎと出会う前の、阿良々木暦が吸血鬼になったときの話。
 化物語のときよりも少しひねた感じの阿良々木君。そんな彼がある夜、ちょっとした事情から閉店間際の本屋で、男子の夢がいっぱいつまった本を買って帰る途中、ある声に呼び止められる。
 その声に振り返ってみると、そこには街灯に照らされて、四肢をなくした金髪の美人さんがたたずんでいた――





 鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼。

 怪異殺し

 キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。



 ……素で言えるようになってしまいました。

 彼女こそが、化物語において阿良々木君の庇護下にある八歳の金髪少女、忍野忍の元の姿。
 刃の下に心あり、ハートアンダーブレード。
 ……そっか。この名前はここから来てたのか。

 少し古風な言い回しをするキスショットさん。口調なんかがとがめっぽいなと思ってたんですけど、考えてみたらこのこよみヴァンプを書いているのは刀語を書いているときと一致しますから、まあ似てきても仕方ないか。





 キスショットさんに血を吸われ、見事吸血鬼と化した阿良々木君。
 彼は、キスショットが奪われた両手足を、三人の刺客から取り戻さなければならない。
 今、本格学園異能バトルがはじまる――!





 と、そんな感じの流れですけど、実際はバトルとエロのコラボです。その二つが交互に来るって感じでしたね。




 ただ、だからといって内容が薄いわけじゃなく、十分濃かったです。というか、化物語のシリアスシーンも面白かったけど、傷物の方はそれ以上にズンときた。

 とにかく、救われないんです。

 みんなが幸せになる方法を、阿良々木君は最後に求めますが、そんなもの存在しない。そのために、忍野は『みんなが不幸になる方法』を提示する。

 その『みんなが不幸になる方法』を選んだ果てが、キスショットさんの能力消滅だったり、阿良々木君の半吸血鬼状態だったりするんですけどね。もちろん、それは決して正しい選択ではないし、結局のところは阿良々木君のエゴなのだから、『傷』が残ってしまったのだけど。

 化物語の方で阿良々木君がひたすら「自分は被害者じゃなくて加害者だ」と言っている意味が、これを読めばすっかり分かります。少なくとも、彼の最後の選択の所為で余計に話がこじれちゃってるしね。


 作中でも忍野がいっているように、正義の定義は人それぞれ。例えば人間が肉を食べるのが悪かどうかといえば、生きるためなのだから悪ではないし、その考えから行くと、吸血鬼が人を搾取するのは生きるために絶対必要なことなのだから悪とは言い切れない。しかし、それは傍観者的な立場だからこそ言える戯言で、搾取される当人である人間にとっては、やっぱり吸血鬼は悪でしかない。
 阿良々木君が必死で相手をした吸血鬼ハンターの三人が実は人間側の正義だと分かったときの彼の心情は正直物凄く痛かった。彼の苦しみが分かるからこそ、その虚しさが伝わってくるからこそ、この物語の『傷』はどんどん形を成していった。


 結局のところ、この春休みの一連の事件は、阿良々木君が勝手に話をこじらせて、傷を作っただけの『傷物語』なんですよね。それを痛いほど理解したからこそ最後に彼は最後に傷を背負ったのだし、自分のエゴを突き通したんだと思う。例えそれが自己満足の自己犠牲だったとしても、それによって話が丸く収まるのなら。

 しかし、そう考えるとキスショットがあまりにも不憫すぎる。ただ彼女は死にたかっただけなのに、その死にたいという望みすら叶えてもらえず生殺しにされている。彼女が最後に阿良々木君に助けを求めたりしなかったらこんなことにはならなかったのに。(阿良々木君に助けを求めたっていうのが、そもそもの彼女の『罪』なのでしょうかね)


 だから、今回のラストはバッドエンド。阿良々木暦とキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが二人で傷を作りあい、二人で傷を舐めあってこれから生きていくという物語。どうしようもない『傷』を作った物語は、こうして圧倒的なバッドエンドで幕を閉じる。





 久しぶりの西尾式バッドエンド。ここまでのレベルのものは、クビシメロマンチスト以来です。恐ろしいほど清々しいのに、何かもやもやとしたものが残るこの感覚。クビシメを読んだ事がある人なら理解できると思うのですが。

 ここ最近は面白い本を結構読んでいたと思ったのですが、やっぱり西尾さんの本は他のと少し感じが違う。彼の書くものに完全にとりこにされているというのがよく分かった。だってダントツなんだもん。
 その代わり、嫌いな人は絶対嫌うだろうな、というのがよく分かったりもするのですけどね。(エロねたとかそういうのとはまた別の意味で)






 まあ、何はともあれ楽しませてもらいました。
 これに二千円払う価値があるかどうかといわれると、読めただけよかったかなとは思います。あいかわらずパンドラはふざけんなとしか言いたくありませんが。


 さて、あと未回収なのはGWのつばさキャット編。いったい猫化によってどんな事件が起こったのか。見てみたいとは思うのですけど、でも粗筋だけは明かされちゃってるんで、もしかしたらそれで放置しちゃうかも……(西尾さんならやりかねん)

 あと、できたら前日譚をやったんだから後日譚もやってほしいな。『後物語』とか『先物語』とか。とにかく、忍野がいなくなった後で阿良々木君たちが自力で解決する話を読んで見たいと思っているのは僕だけじゃないはず。(それに、撫子をもっと見たいし)


 まあ、その辺は西尾さん次第ですけどね。



 「チキン。チキン、チキンチキンチキンチキンチキンチキンチキンチキン――」by羽川翼
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コメント

「傷物語」よかったですね。
最初はエロ方面全開でしたけど、なかなか最後の落とし方がぐっときました。
僕的には委員長のキャラを前面に出してるのはいいんですけど、もうちょっと
キスショットのキャラをだしてくれたら嬉しかったですね。
出会ったシーンでの変貌ぶりをもっと見せて欲しかったです。
何はともあれ、かなりおもしろかったです。
[2008/02/11 20:26] URL | 狐 #- [ 編集 ]


エロ全開の部分だとか、バトルシーンなんかを見てると、本当に趣味で書いてるんだなぁというのが分かりますね……。
しかし、こんなに委員長とフラグを立てているのに友達関係と言い切る阿良々木君に尊敬の念を覚えます。っていうか絶対彼、いつか背後から刺されますよ。主に戦場ヶ原ひたぎによって(まあ、回復すること前提ですが)
キスショットは、一応被害者という形にしなきゃならなかったから書きにくかったのかな、と思いました。実際、彼女は何にもしてませんもの(人喰ったけど)
[2008/02/12 13:06] URL | 西織白夜 #fBhJEaUc [ 編集 ]


かさはな
[2010/02/23 18:00] URL | #- [ 編集 ]


かさはね?
[2010/02/23 21:26] URL | 西織 #fBhJEaUc [ 編集 ]


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将来の夢:作家(前途多難)

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