空っぽの知識
 かたよりまくった読書くんの日記
カオスな本の感想。

○『4TEEN』 著/石田衣良
4TEEN4TEEN
(2003/05/22)
石田 衣良

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 図書館で借りました。
 何気に初めての作家。

 えーと、確かこれ直木賞の方をとってたはずです。うん、芥川賞は短編のはずだからそのはずだ。
 まあ、なんで手に取ったかというと、ここ最近なぜかこの作家の名前をよく聞いたからです。全部偶然なんですけどね。母親が借りてきた漫画の原作がこの人だったり、テレビで何度か登場していたり、新聞のコラムで出ていたり。
 そんなわけで、一番代表といわれるこれを読んでみたわけです。

 んで、感想。

 あー、確かにこりゃすげぇわ。

 ホント、一話一話読んでいくうちにどんどん引き込まれるんですよね。正直言うと一話目のあまりの下品さにちょっとページを閉じかけたんですけど、それやらなくてよかったと素直に思いました。
 そんな派手なわけじゃないんですよね。むしろ、淡々と物語は進んでいく。大きな事件でさえ、平坦な文章で書かれている。なのに、ずんとまっすぐ伝わってくるんです。
 僕は結構派手でカタルシスのある小説の方がど真ん中の好みなんですけど、こういう書き方もあるんだと深く思いました。別に珍しいわけじゃないんですけどね。
 バランスもいいですよね。主要四人に順番に視点を当てつつ、それでいて周りも引き込んだ物語。誰しも問題を持っているって言うのが違和感なく伝わってくる。
 あと、何がよかったかって言われると、中学生の心理描写で、「あー、確かに」って頷けるところが多かったのが一番ですかね。ちょっとエロガキ過ぎな気もしないでもないですけど。

 ほかにもこの人の本読んでみようと思います。



○『ナルキッソス』 著/片岡とも
〔MF文庫J〕ナルキッソス (MF文庫 J か 5-1) (MF文庫 J か 5-1)〔MF文庫J〕ナルキッソス (MF文庫 J か 5-1) (MF文庫 J か 5-1)
(2008/07/23)
片岡とも

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 図書館で借りました。
 あらすじ見て興味をもったんですが、当たりでした。

 いや、もうね。セツミが泣いて訴えるシーンで一気にもっていかれましたよ。
 展開はすごくベタだから簡単に予想できたものなのに、セツミがいざ心中を吐露し始めたら、ぐっと来ました。あーもう、これだからこういう類の物語は好きなんだよ。

 死が目の前にある病気の二人が、逃避行するお話。
 こういう病気ものは展開がある程度予測できるから、その範囲でどう見せるかが問題になるんですけど、個人的にこれはかなりよかったです。ちょっとページが少ないから展開が速く感じたところもあったけれど、主人公とセツミの二人の物語としては十分だったと思います。
 最後、波打ち際でとられたセツミの写真がイラスト化されてるのを見て、感動やら悲しいやらで胸がいっぱいになりました。

 なんか調べてみたら、これフリーゲームであるんですね。やりたいなぁと思ってダウンロードしてみたんだけど、うまく起動しないorz もうちょっとがんばってみよう。



○『九つの物語』 著/橋本紡
九つの、物語九つの、物語
(2008/03)
橋本 紡

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 図書館で借りました。
 あー。これは文庫落ちしたら欲しいわ。

 一応言っておくと、『半分の月がのぼる空』の人の本です。
 この人の一般文芸での作品は、面白いんだけどいま一つ突き抜けきれていないところがある気がしていたんですが、これは本当に面白かったです。

 九つの文学作品を題材に、物語が進む。
 僕が分かったのは、『蒲団』と『コネティカットのひょこひょこおじさん』くらいでしょうか。『コネティカットのひょこひょこおじさん』の方は、サリンジャーの『ナインストーリーズ』の方を半分だけですが読んだことがあったのでストーリーは覚えていたけれど、田山花袋の『蒲団』のほうはあらすじしか知らなかったので、九つの章のうちほとんど知らないも同然でしたけど。
 いや、太宰治の『待つ』とか、樋口一葉の『別れ道』なんて、よほど詳しくなきゃ知らないでしょ……。

 まあ、でも別に題材のほうを知らなくても、十分物語は楽しめます。
 あー、ゆきな可愛いな。と思いつつ読んでいました。ゆきなの一人称はかなり入り込みやすいし、兄との対話は自然だし。あー、仲の良い兄妹ってこんな感じなんだぁと思いました。前半の物語は、何気ないことの積み重ねで読んでいてゆったりした気分になれます。
 しかし、その所為か『山椒魚(改定前)』の急展開がすごくショックだった。……つーか、香月くん、突然心狭くなりすぎですぜ? 唐突な豹変に正直頭がついていけなかったのは僕だけじゃないと思う。
 山場では「おにいちゃああああああああん」ってなりました。うわ、男だよ! 兄貴の鏡だよ! このほど良いシスコンがかなりつぼだ!

 最後のさわやかな終わり方は、もう一度読み返したいな、という思いにさせてくれました。

 うん、ほんとこれは文庫落ちしたら絶対に買う。純粋に面白かったし、またかなり参考になる。こういう物語を書きたいんですよね。



○『蒲団』 著/田山花袋
蒲団・一兵卒 (岩波文庫)蒲団・一兵卒 (岩波文庫)
(2002/10)
田山 花袋

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 図書館で借りました。
 まあ、『九つの物語』を読んだからどうせなら、と思って読んだんですけどね。

 本当は少し読み込んでから書評みたいに書くべきなのかもしれないけど、正直面倒なので簡単な感想だけにとどめておきます。

 期待していたよりも面白かったです。
 前に国語の問題集で一部読んだことがあったんですけど、そのときは正直あんまりぱっとしないなぁと思っていました。だけど、一番始めから読んでいくと主人公の心の動きがマジで面白すぎる。
 ってか、うぜぇ。
 このうざさがなんともいえないんですけど。こう言っちゃ駄目かもしれないですけど、要するにへたれですよね。いい年しているくせに女学生に鼻の下伸ばして嫉妬に狂って。
 時代が違うからちょっと感覚が分からないところもありましたけど、芳子ももうちょっと考えるべきだよなぁ。大体交際を邪魔されている理由は今でも通じるようなところもあるし。つーか、田中のどこがそんなにいいよ? なんか結局田中もへたれで、主人公の言い分にうなづく部分もあっちゃったよ。

 オチの芳子の蒲団に顔を押し付けて匂い嗅ぎながら泣くというのは、まあ知ってたんで別になんとも思いませんでしたが、しかし冷静に考えるとただの変態だよな……(いい年したおっさんが……)




 ……しかし、毎度のことながら今回は特にすげーカオスな感想になりましたね。
 ちょっともう一冊、感想を書きたいのがあったのですが、それは長くなりそうなので別に書きます。

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西織

Author:西織
この欄を編集するのを完全に忘れていた男。今年の四月に新社会人という名の社畜人生に一歩を踏み出した。



性別:男
年齢:22歳
血液型:A型
趣味:読書&執筆
将来の夢:作家(前途多難)

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