空っぽの知識
 かたよりまくった読書くんの日記
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緊縛ダイエット~陽の雑念~
 自作小説ブログに公開第二弾。書くネタが無いのでこんなんでごまかします。

 この『緊縛ダイエット』は僕が他に書いている小説で行き詰ったときに気分転換に書いたものです。そのため、物凄く好き勝手やってます。

 まあ、十八禁ではないと思いますが、微妙にエロいので、読んでも怒らないでください。お願いします。

 では、続きから読む、で。


 『緊縛ダイエット』


「陽君。お願いがあるの」
「あん? なんだ?」
 突然俺のアパートに訪ねてきた楓に不審を感じながらも聞く。
 楓はというと、なにやら少しもじもじと恥ずかしそうして、なかなか答えない。
 いつもなら、もっとハキハキと喋るのに、珍しいな。と思いつつ、俺は楓が言葉を発するのを黙って待つ。
 千堂楓は、俺の彼女だ。背まで届く髪の毛はツインテールにして結んでいる。視力が悪いので、常時メガネ着用。どこかのお嬢様のように天然で、気さくで明るく全てがはっきりとした奴。
 で、そんな彼女は今目の前で何かを言うのを躊躇っている。ああ、なんて珍しい光景なんだろう。そして可愛い。こんな彼女も新鮮でいいなぁ。お持ち帰りしたいよ。まぁ、ここは俺の家だから、半分くらいお持ち帰りしているようなものだけど。
 それはさておき、そんなレアな彼女もそろそろ終わりのようで、とうとう楓の口が開かれる。
「わ、私を、これで縛って!」
「…………は?」
 俺の前には一束のロープが出される。
 楓は、顔を真っ赤にしてうつむいている。
 そんな時間が、暫く続いた。


「で、こんなんでいいのか?」
「駄目、もっときつくして。でないと解けちゃうじゃない」
「へい」
 楓の手首に巻いたロープをいっそう強く締める。跡が残らないか心配だが、気にしていたら始まらない。
「はぁ。折角の休日なのに、俺たちは何をやってるんだ?」
 俺はため息をつきつつ呟く。いつもの楓なら一言二言返してくれそうなものだが、そんな余裕はないらしくずっと黙っている。
 さて。何故俺が楓を縛っているかというと、そこにはもちろん十八歳未満お断りの行為が待っているわけではなく、これは一重に楓の挑戦なのだ。
「ダイエットしたいの」
「それと縛るのがどう関係するわけ?」
「縛ってもらわないと何かを食べちゃうの」
「…………要は両手足を拘束して絶食ライフを送りたい、と?」
「陽君は物分りがよくて助かるよ」
 にっこりと、楓は可愛い笑みを浮かべた。
 そして今の状況。
 二十歳の男性が十九歳の女性を縛っているという図。
 …………いや、これはかなりあれではないだろうかと思うのだが、……く、そ、それでも、別に楓が気にしないのならそれでいいかと流されてしまう俺。で、でも、でもだよ? 別に俺たちは十八歳未満というわけではないし、もちろんそういう行為もしたことがないわけでもなく、もし仮に十八禁の内容に触れたとしても世間様になんら恥ずべきことではないはずだ、そうだろう? と俺は思ったわけで、一つ決心すると楓の両手首を縛り終えるとそっと後ろから抱き着こうとして――
「ん? なに陽君」
 ――断念した。
 不思議そうな楓の視線が痛い。
 だって、だってよ、こんな純真な瞳で見られたら誰だって断念するって。こんな大人の闇の世界なんて知らないといった目を見せられたら、絶対自分が恥ずかしくなるって。ほんと。だから何も言わないで。
「……陽君。何一人で喋ってんの?」
「ちょっと世間の馬鹿共に言い訳をね」
「ふぅん。変な陽君」
 一番変なのはお前だけどな。というセリフは心の奥底にとどめておくとして。
 俺は楓から離れようとする。
「あ、駄目だよ。腕も縛ってくれなくちゃ」
「そこまで入念にする必要あるのか?」
「だって、腕動いたら、陽君殴って外に出れるじゃない?」
「…………」
 そういえば、絶食で一番怖いのはそういう二次災害だって聞いたことあるな。
 俺は仕方なく楓の腕も縛ることに。
「あ、それじゃ駄目」
「今度は何だよ」
「ちゃんと体と腕をくっつけるようにして縛って」
「…………要は、俺にSM縛りをしろと?」
「何? SMって?」
「いえ、何でもありません」
 こいつはそういうこと知らない奴だったな。
 あまりにも純粋すぎる楓にまぶしさを覚えつつ、俺は彼女の胸を上と下から挟むようにしてロープを後ろに回して結ぶ。
 もちろん、こんな縛り方をしたら、決して貧弱ではない楓の胸が必然的に強調される形になり、男の本能に素直に従いたくなるわけだが、しかし俺はそれを理性で抑えつける。駄目だ。ここで手を出したらいろんな意味で人生終わってしまう。
 そして、男の本能との戦いを終えて、俺はどうにか楓の腕を縛り上げて一息つくことができた。
「ねぇねぇ陽君」
「……次はなんだ?」
「ん、足」
 スカートからのびた細長い足を上げながら楓は残酷に言う。
「…………アイアイサー」
 この際スカートの中身ぐらい見てやる。


 スパッツを履いていやがった。
「はぁ。ありがとね。陽君」
「人生においてここまで煩悩が邪魔であることを感じたのは初めてだ」
 うな垂れながら呟く俺。
 そんな俺にはお構いなしに、楓は自分の体をごろごろと転がせて遊んでいる。
 一見かなり無邪気に見え、微笑ましい光景。俺もそんな光景をぼおっとしながら見つめていたが、それはある音で終わりを迎えた。
 ぐうぅぅぅぅ。
「…………」
「…………」
 沈黙。
 あ、そうか。今絶食ダイエット中なんだっけ。
「まぁ、とりあえず聞いておくけど。なんか食う?」
「いらない!」
「あ、そう」
 ま、俺は食うけどな。そう言いつつ、俺は台所に向かう。もう昼時だ。やっぱり腹は減る。さすがに彼女の目の前で食べるのは気が引けるので、カップ麺でも作って台所で食べてしまおう。
「よ~う~ぐ~ん~」
「…………」
 恨めしそうな声が聞こえるが、気にしない。
 台所は居間から見えない。しかし、匂いだけは伝わるらしく、やはり楓は反応してきた。
 とっとと食べてしまおう。
 ずるずると麺を急いですする。早く食べてしまわないとさすがに可哀想だ。
 俺がそう思いながら食べているときに事件は起こった。
「きゃあっ!」
「――――っ!?」
 思わず口の中のものを吐き出しそうになる。しかし、それをこらえて無理やり喉に通すと、俺は急いで楓ところに向かう。
「楓! どうした!?」
「陽君っ。ご、ご、ゴキブリがぁ」
 体をくねらせながら、泣きそうな目でこちらを見てくる。ん? ゴキブリなんてどこにもいなけど……。
「服の中に入っちゃったのぉ」
 顔を真っ青だか真っ赤だか分らない色にしながら楓は叫ぶように言う。
「…………」
 あー。確かに困った。服の中って、一体どうやって入ったんだよ。
 まぁ、俺もあんまりゴキブリは好きなほうではないので(というより、好きな奴がいたら教えてほしい)ゴキブリが出てきたときに備えて新聞紙を丸めて楓の横に立つ。
「あ、あんっ。いや、なんで、そんなとこっ。だめ、だめだめ」
「…………」
「ああー。お願い。助けて、あん。いや、きゃあ!」
「…………」
 うわぁ。やばいなぁ。
 楓は今、両手両足を縛られているもんだから、自由に身動きが取れない。それに加えてもし体を転がせば自分の体でゴキちゃんを潰してしまうかもしれないという恐怖があるので体を思いっきり転がせない。でもその代わりにくねくねと動くので、服が乱れていっている。そんな中でゴキブリは彼女の体の中を這いずり回っている。それに加えて声。この声、知らない人が聞いたら絶対に勘違いするような声を上げている。まぁ、実際はこんなことだけど。
「ひ。ひっく。いやだぁ。だめ、だめだめだめっ。お願いっ。どっかいって」
「…………」
 しかし別に俺がどうにかできるという問題でもなく、俺は楓を見捨てて(結果的にはそうなる)ひたすらゴキちゃんが出てくるのを待った。
 そして、数十秒後。
「ゴキっ」
 などとは言わなかったが、ゴキブリが彼女の服の中から華麗に登場してきた。
 キラーン。
 この瞬間、俺の目はおそらく光っただろう。そして、刹那の間に手に握られた新聞紙でゴキちゃんを撲殺する。その姿は、あまりにも軽やかで無駄がなく、そして、力強かったと俺は自分で自分を褒め称えた。
 まぁ、ゴキブリの死体の詳しい描写なんて誰も欲しくないだろうからここでは何も言わない。ただ、妙にグロかったとだけ言っておこう。
 ゴキブリの死体処理をしながら俺は楓を見る。彼女は、「あひっ、あひっ」と変な呼吸をしながら白目をむいている。あー。こっちはこっちで大変だな。と思いつつ、ゴキブリ処理。別に楓のほうは命に関わるというものでもない。はず。たぶん。


 チャイムが聞こえたのは、俺がゴキブリの死体を片付けてしまって、さあ楓の介抱をしようというときのことだった。
 居間からまっすぐのところにある玄関に向かう。
 扉を開けると、隣の部屋に住んでいるおばさんが立っていた。
「どうしました?」
「ちょっと、さっき変な声が聞こえたんだけど……」
 何か言いかけていたおばさんの目が見開かれる。
 ん? 何でおばさんはこんな目をするんだろう? 不審に思いつつ、俺は身を翻しておばさんの視線の先を見てみる。
 すぐに見えるのは居間。このアパートは一つ一つの部屋が狭くて敵わない。だって、玄関からすぐが居間なんだぜ?
 そして、その居間にいるのは。
「…………」
 体中を縛られて、服は乱れて白目をむいている楓の姿。
「…………」
「…………」
「あ、だめ、おねが、い。もう、たすけて……」
 いらんことに、楓はさっきのショックでまだ変なことを口走っている。
 再度説明するが、今の彼女の姿は、緊縛されて襲われた後のような十八歳未満お断りの刺激の強い姿。
 俺は、自分の顔が引きつったのが分った。
 おばさんが身を翻しながら言う。
「電話してきます」
「どこに?」
「悪いことは言いません。警察に行きましょう」
「すみません。この通りです。話だけでも聞いてください」
「警察が聞いてくれますよ」
 無常にも言い放つおばさん。
 後日、警察というのがいかに冗談が通じない存在であるのかを、俺が深く理解したということは言うまでもないことだろう。
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西織

Author:西織
この欄を編集するのを完全に忘れていた男。今年の四月に新社会人という名の社畜人生に一歩を踏み出した。



性別:男
年齢:22歳
血液型:A型
趣味:読書&執筆
将来の夢:作家(前途多難)

本の感想などを見たい人は、こちらをどうぞ
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自作小説専門のブログ作りました。
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同じFC2ブログを三つも作ったことにより、他のブローカーに訪問者履歴的な意味で迷惑が……あの、本当に申し訳ございません。


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